JIS A 4722
JIS A 4722 について
自動ドアは日常の生活に密着した社会的に不可欠な建築設備として、その重要性が認識されています。自動回転ドアの安全性に関しては、2004 年の自動回転ドアの事故を受けて、2005 年に自動回転ドア一安全性 (JIS A 4721) が制定されましたが、広く使用されている引き戸タイプの自動ドアの安全性に関しては、これまで業界団体による安全ガイドラインのみで、安全規格が制定されていませんでした。国際規格・欧州規格などを参考に、日本国内の事情や高齢者や障害者および子どもへの配慮を含め、自動ドア製品自体や使用方法、施工、保守、その設計プロセスなど自動ドア全般に対する要求事項も含めた安全規格である JIS A 4722「歩行者用自動ドアセット一安全性」が 2017 年 3 月に経済産業省より制定されました。
JIS A 4722 では、自動ドア装置だけでなく、建具やガラスなど開口部全体の安全に対する配慮が求められるため、この規格に準拠していただくことで、これまで以上にお子さまや高齢者、お体の不自由な方を含む自動ドアをご利用するみなさまが自動ドアを安心してご利用いただけます。
自動ドアの安全性が求められる昨今、扶桑電機工業では JIS A 4722 に準拠した自動ドア製品を推奨しております。
対象となる自動ドアの種類
JIS A 4722 「歩行者用自動ドアセット - 安全性」の対象となる自動ドアは次のとおりです。
引き戸



開き戸

回転ドア

折り戸

- ※歩行者用以外の用途で用いられる自動ドア、特別なセキュリティが必要な場所で使用される自動ドア、防火戸など法令 で定める特殊機能に該当する部分や門扉など、本規格の適用除外とされるものもございます。
- ※弊社対応製品はお問い合わせフォームからお問い合わせいただくか、お近くの扶桑電機工業の各拠点、または販売代理店までお問い合わせください。
対象となるプロセス
JIS A 4722「歩行者用自動ドアセット - 安全性」では、自動ドアをご利用になる方の行動パターンや、不注意などによって起こり得る事故を想定し、リスクの除去または低減することが要求されます。
そのため、開発・設計段階から施工・保全までを含むプロセスが対象となっており、「自動ドア製造メーカー」だけでなく、「建築設計者・発注者」による自動ドアの取付位置などを含む安全防護の方法、「施工業者」による正しい施工や取り扱いの説明、「建物管理者・点検専門業者」による日常のお手入れや定期保全点検までの各関係主体業者の対策が必要です。
- 開発・設計
- 評価
- 製造
-
技術情報
製品+
自動ドア製造メーカー

JIS A 4722 に準拠した自動ドア装置
(●開発 ●設計 ●評価 ●製造)
- 計画
- 施工
- 完工検査
- 定期保全点検
建築設計者
発注者

- 扉の形状
- ガラスの種類
- 防護柵などの安全対策
施工業者

- JIS A 4722 に準拠した施工
- 警告表示・案内表示
- 定期保全点検の説明
建物管理者
点検専門業者

- 日常のお手入れ
- 定期保全点検
自動ドアの安全対策
さまざまな建物の出入口に設置され、高齢者や障害者および子どもを含め幅広く利用される自動ドアには安全対策が重要です。
自動ドアが閉まる時

駆け込みに対する安全対策
- センサーの検出範囲の調整
- タッチスイッチ+併用センサーの仕様に変更
- 警告ラベルの貼り付け

斜め進入に対する安全対策
- 防護柵により動線を案内

立ち止まりに対する安全対策
- 補助光電センサーの設置など扉の可動域の防護
- 自動ドアの制御によるスピード等の調整
- 警告ラベルの貼り付け
自動ドアが開く時

戸袋側進入対する安全対策
- 防護柵などにより進入を防止する
- 進入を検出するセンサー(保護装置)を設置する
- 自動ドアの制御によるスピード等の調整

引き込まれに対する安全対策
- 引き込まれに対する適切な隙間を設ける
- 警告ラベルの貼り付け

指挟みに対する安全対策
- 指挟みに対する適切な隙間を設ける
- 警告ラベルの貼り付け
その他

案内表示・警告表示の義務
- 自動ドアであることの案内表示
- 駆け込み・立ち止まりに対する警告ラベル
- 引き込まれ・指挟みに対する警告ラベル
- その他警告表示

定期的な保全点検
- 専門業者による定期保全点検
-
※JIS A 4722 に準拠した自動ドアの安全対策を行うには専門的な知識が要求されます。
お問い合わせフォームからお問い合わせいただくか、お近くの扶桑電機工業の各拠点、または販売代理店までお問い合わせください。 - ※JIS A 4722 に関する安全対策の内容は下記外部リンクからもご確認いただけます。